僕が初めてリーバイス501を買ったのは2012年の5月、25歳の春だった。
それまでの僕はジーンズに対してこだわりはなかった。
自分で服を買うようになってから買ったジーンズで覚えているのは、大学1年の頃に買ったstussyの生デニムだ。生デニムというのは未洗い・未加工のデニムのことで、まだ生地に糊がついたままの濃紺のインディゴが綺麗なジーンズだった。それが当時は相当気に入って、本当に毎日穿いていた。当然毎日穿いていると色落ちやダメージが出てくる。濃紺だった色はやがて鮮やかなブルーに変わり、次第に水色に近いアイスブルーへと変化して、僕の体やライフスタイルに合ったシワやアタリが入っていった。(車を運転するとき左足だけ折り曲げる僕の癖通り、左足だけにヒゲが入ったり、ポケットにいつもいれていた財布と携帯の形通りにシルエットが浮かび上がるように色落ちした。)このジーンズで僕は初めて「穿き込むほどに味が出る」とか「経年変化で風合いが増す」がわかった。
この『穿き込まれたジーンズのかっこよさ』は、いろんなブランドやメーカーがわざわざ加工して再現するくらい、これぞジーンズの魅力とされているところだけど、それが自分のライフスタイルがもたらしたリアルな色落ち・ダメージならば尚更で、その本物感の前ではどんな有名ブランドのユーズド加工も所詮はフェイクに過ぎないと思わせるくらい、強力な魅力を放っていた。僕はそれが楽しくて、また1から穿くデニムを数本買った。当時好きだったブランド、victimとglambの生デニムだ。しかしある時を境にこれらジーンズをぜんぜん穿かなくなってしまった。
ブランド離れと言うのだろうか。昔あんなに好きだったのに今は別にもう好きじゃないっていうもの、あなたにもないだろうか。僕にとってstussy、victim、glambがまさにそれで、学生時代の一過性の流行の中で沸いたストリートブランドやドメスティックブランドへの熱意は、ある程度の年齢になると急に自分とマッチしなくなった。
たしかにこのジーンズはかっこいいけど、stussyってどうよって思う日が来たし、いつまでも大学生みたいな格好してられないなって思う日が来てvictimやglambの服は全部実家に持って帰った。
ブランドは世界観や背景があるぶん、それに熱狂できる若さがあるうちは楽しいけれど、大人になって自分を持ち始めると、その世界観が邪魔になることがある。それからの僕はシンプルでプレーンなものを好むようになっていった。
ブランドというよりメーカー的で、有名すぎて、定番すぎて、もはやそのブランドが持つ個性はほとんどないくらいに普及しきっているものに魅力を感じたり、歴史があって正統的で、長年愛用できる本物の良品、定番、ザ・ベーシック。そういうものにどんどん興味を惹かれていった。
そんな時、また1からジーンズを育てたいと思い、選んだのがリーバイス501だった。ジーンズをちょっと調べれば誰でも行き着く結論があるんだけど、すべてのジーンズはリーバイスの501から始まっていて、リーバイス501が原点にして頂点という事。501を選ぶ理由なんてそれだけで十分だった。
そうして穿き始めた501が、本当に楽しかった。初めて出来た恋人みたいな、親友みたいな相棒みたいな。毎日がすごくワクワクして、楽しかった。なんなら洗濯中にも501が穿きたくて、同じ物をもう一本買った。一日中何もできなくて、今日一日無駄にしたなって思うような日も、その日501を穿いていたなら、こいつをまた育てることができたって、そう思えると充実になった。
この楽しさを一人でも多くの人に感じて欲しくて、ジーンズの原点をあなたにもオススメしたい。僕が選んだのは501レギュラーと呼ばれるUSA流通モデル。ヴィンテージでもなければ赤耳でもない、いわゆる普通の量販タイプ。オーソドックスな定番の一本。だけど、それがゆえによかった。なんのこだわりもないような無骨さと、なんのメッセージもない普遍性がよかった。適当に穿いて、適当に洗って、適当に乾かす。それがジーンズのかっこよさだ。それができるレギュラーが良かった。
まずはこの一本から、あなたのジーンズライフを始めてみて欲しい。絶対に素敵なジーンズライフが始まるはずだ。
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